こんにちは、高千穂郷食べる通信編集長の佐藤です。
2015年に世界農業遺産に認定された高千穂郷椎葉山地域。認定の後、農林業を中心に、地域資源を活かした取り組みが実施されています。その中心で活躍するのが、2016年4月より世界農業遺産高千穂郷椎葉山地域活性化協議会の事務局長を務め、2019年1月より高千穂町長と協議会の会長を兼ねる甲斐宗之さんです。
町長就任からおよそ1年を経て、地域の人材教育に世界農業遺産をどのように活かしているのかを伺いました。
世界農業遺産を「活かす・育てる・つなげる」
— 世界農業遺産に認定されて、協議会としてどのような活動をされていますか。
甲斐町長(以下、甲斐):協議会は、世界農業遺産の認定に関わる宮崎県、5町村、観光協会、農業関係など、様々な関係者が関わり、具体的な取り組みを先導していく役割です。
事務局が中心になって動いていて、宮崎県の担当部署とやりとりや、5町村とのやりとりなどをこなしています。
— 活動のテーマなどはありますか。
甲斐:テーマは3つあります。世界農業遺産に認定されるにあたってアクションプランを作る必要があるのですが、それらが認定を「活かす・育てる・つなげる」の3つの項目の目標から成り立っています。
例えば「活かす」とは、認定を活かして農林業を中心に、まずは地域に向けて認定されたことを広く知らせるということをしています。ロゴマークを一般公募で作ったり、パンフレットを作ったり、webサイトを開設したりしています。
SNSでの情報発信やプロモーション映像の作成などもありますね。それらをもって、シンポジウムや地域住民説明会を開催しています。
— 認定されたというだけでは、地域の方がどういうふうに活かせるのかがわからないということですね。
甲斐:はい。何が評価されて認定されて、どんなメリットがあるのかなども伝えています。世界目線で見た時に、すばらしい地域であるということが言われたわけなので、それを活かすということですね。地域の自信や誇りにつなげていきたいと思っています。
具体的な取り組みも始まっていて、米やお茶に世界農業遺産のロゴを使ってブランディングしたり、現在は観光に注力すべく、5町村を周遊できるような企画を考えたりしています。
— 「育てる」活動としてこのGIAHSアカデミーなども活動も行われていますよね。
甲斐:教育にも広く力を入れています。宮崎大学と連携し、学内にGIAHS研究会を組織して頂き、地域を研究対象のフィールドとして提供しています。
農林業、文化、山間地農林業複合システム、いろいろな分野にわかれて、この地域の価値を見出していただくことにつながっています。この研究成果を地域にもフィードバックして、より地域の魅力を理解してもらうことにも役立っています。
また高千穂高校を中心に取り組むGIAHSアカデミーでは、地域の価値を自ら学ぶというところで着実に人材育成につながる取り組みとなっています。
持続可能な農林業のあり方を模索する

国連から送られた世界農業遺産の認定書のレプリカ
— 認定から5年がたちますが、実感としてどのような思いがありますか。
甲斐:世界農業遺産という制度自体が日本で広く知られているわけではありません。その意味で、まだまだなところはたくさんあります。
一方で、人材育成や教育という分野では、国内で見渡して自信をもって取り組めている内容になっているのではないかと考えています。今後も、内外への認知向上に取り組む思いです。
私たちの地域には、ユネスコエコパークと世界農業遺産の両方があるんですよね。ここから、ツーリズムと人材育成を中心に、持続可能な農林業のあり方を模索したいと考えています。
— GIAHSアカデミーの活動を通じて高千穂高校生徒の皆さんにはどのような事を期待しますか。
甲斐:高校生に学んでもらい、そして先生になって中学校や小学校に出前授業しに行くというかたちで進めていますが、年齢も近く、親近感がわき伝わりやすいと思っています。
「高千穂はいなかで何もないと思っていたが、すごく誇れる伝統があるんだということがわかった」というような声も聞けて、成果を実感し良い取り組みになっていると実感します。
毎年継続していけると良いと考えています。
— この取り組みを通じてどのような変化を起こしたいと考えていらっしゃいますか。
甲斐:GIAHSアカデミーは、高校生にまず地域のすばらしさを学んでもらいます。そしてしっかり学ぶことが、「この地域に戻ってこよう」とか、出ていったとしても「自分の地元の資源をまもるために何ができるだろう」と考える素地をつくることにつながると考えています。
小中学生にとっても、ただ何となくいなかで過ごしているのが、年が近いお兄さん、お姉さんがこの地域はすばらしいと教えてくれることで早い段階で気付くことに繋がると思います。
地域に誇りをもつという教育が、地域を持続的に維持していくことにつながればと思いますね。そのためには、人が一番必要で、人材育成を中心に据えることで、効果の高い取り組みになるのではないかと考えています。
It’s in reality a nice and useful piece of information. I’m satisfied that you just shared this useful information with us. Please keep us up to date like this. Thanks for sharing. Gwendolyn Elsworth Shep
I used to be able to find good advice from
your articles.